2024.8.26 週刊粧業に掲載

ノーベル化学宏業

独自原料の有効活用で開発促進

営業企画を立ち上げ提案力強化

 

多品種小ロット生産に特化した化粧品OEM・ODM事業を展開しているノーベル化学宏業は、付加価値化に向けた処方開発を強化する。自社オリジナル原料を使用した処方数を増やす。また、営業企画の人材を新たに採用し、提案型営業を推進していく。

2024年7月期は、新規顧客案件を獲得した一方、既存製品の一部で受注が伸び悩んだが、既に改善傾向にあり、今期(25年7月期)は回復する見通しだ。

勝見篤嗣社長は、「社長に就任して10期目を迎える。お客様のこだわりや要望に対し、試作を重ねながら開発を進めていく従来の対応型の営業スタイルを維持しながらことを当社のスタイルとして、これまでは紹介や問い合わせへの対応から提案する案件が多かったが、次の成長に向けての新しいことにもチャレンジとして提案型営業で新規顧客の獲得を目指すしていきたい」と話す。

同時に、一昨年からの継続した成長戦略として、若手を中心とした新たな人材を確保し、外部講師を招いた勉強会やリーダーミーティングなどを取り入れて教育体制を整えてきた。引き続き、人材育成に力を入れ、成長基盤を強化していく。

勝見社長は、小ロット生産に対応する化粧品工場が増え、受注競争が激しくなってきていることに触れ、「独自処方の開発を強化して、高機能化・高付加価値化をサポートしていく。新規案件に対しては、特許取得を含む独自原料の有効活用や機能強化を図り、提案のバリエーションを増やしていく」と話した。

主力のスキンケア案件では、ライン使いやシリーズ内の使い分けでシンプルケアを促す企画が増えているという。

 「これまでは美容液を中心に、機能性を追加して付加価値化を図りやすいアイテムによる単品訴求型のブランドが目立っていたが、近年は化粧水、美容液、乳液、クリームをラインナップする傾向も見られる。お客様のニーズやこだわりに合わせて紹介できるよう、処方開発を行っていく」(勝見社長)

提案力の強化では、営業企画を軸に、提案型の営業スタイルを磨いていく。

「商社的な機能を持ち、豊富な開発実績や小回りが利く生産体制などをアピールしていく。協力工場を増やしながら、今まで以上に幅広い案件に対応していくことで、新たな成長基盤を築いていきたい」(勝見社長)