ノーベル化学宏業
植物エクソソーム配合などを開発
工場の環境改善で対外評価が向上
ノーベル化学宏業は、化粧品GMP(ISO22716)取得に向けて本格始動した。小ロット・多品種製造に特化した工場の強みをさらに活かしていく考えで、勝見篤嗣社長は、化粧品GMP取得に向けた一連の流れの中で、会社の理念やビジョンを浸透させていきたいと話している。
――副業の普及などでスモールビジネスが注目され、化粧品業界でも小ロット生産のニーズがますます高まっています。
勝見 併行して、小ロットへの対応を強化する同業他社も増えてきている。企画会社など新たな協力企業を増やしながら、新しい顧客との接点を広げていきたいと考えている。顧客の小ロットニーズも多様化してきているため、最小ロットについても柔軟に対応していきたい。
処方開発では、付加価値や差別化を意識した開発が重要になってくる。独自原料を用いた処方開発を進めながら、新規性のある成分に対しても、積極的に試作を行い、早い段階で先行事例を作れる体制を整えていく。新しいところでは、ヒト幹細胞培養液やエクソソームを配合した美容液などを開発してきたノウハウを活かし、植物エクソソームを配合した化粧品の処方開発を行った。このような事例を増やしていくことで、開発力の強化につなげ、将来的にはスキンケア以外の品目・カテゴリーにも挑戦していきたいと。
――23年には、化粧品GMP取得に向けた取り組みもスタートされました。
勝見 その準備段階として、リーダーミーティングや個別ミーティングを行い、会社の考え方やモノづくりへの思いを浸透させてきた。社内での勉強会をスタートした。
――社内プロジェクトとして、SDGsにも取り組み始めました。
勝見 製造業として取り組めることからスタートしている。省エネ対策では、充填室に続き、製造室もLED電球に変更した。今後も順次、LED化を進めていく。
また、11月には八尾商工会議所より「環境改善優良事業所」の優秀賞をいただけた。化粧品の製造過程で出るCO2排出量の削減や廃棄物の削減に取り組み、生産性向上や生産コスト削減につなげていることが評価された。2年目以降も着実に成果を出し、製造業として環境価値を高めていきたい。