2021.1.1  週刊粧業に掲載

ノーベル化学宏業

案件数は堅調に推移、対応強化で

安定した受注パターンの再構築へ

 

 小ロット・多品種型で化粧品・医薬部外品OEMを展開するノーベル化学宏業は2020年6月期、上期が堅調に推移したものの、下期後半よりコロナ禍の影響でサロン事業者からの受注が伸び悩み、微減収となった。21年6月期もコロナ禍でスタートしたが、勝見篤嗣社長は「新規の案件数はコンスタントに入ってきている」と述べ、新規顧客との取引拡大に意欲を示す。

 ――コロナ禍の受注状況はいかがですか。

 勝見 安定していた受注パターンが崩れ、下期後半は業績にも影響した。当社は、エステや美容室などサロン事業者が主要顧客層であり、コロナ禍での休業、そして外出自粛により客足が遠のき、苦境に立たされた事業者も少なくなかった。

 尾を引いた状態で21年6月期がスタートしているが、9月頃から受注が戻りはじめ、売上も前年並みの水準になってきた。第3波の到来は不安要素だが、最悪は脱したと見ている。

 また、コロナ禍においても、Webサイトや人からの紹介で新規の問い合わせや製造依頼が毎週ある状況だ。最終的に取引につながらなくても、そのような細々とした案件を一つひとつ対応することで、今の当社がある。そのスタイルは今後も貫いていく。

 ――問い合わせに傾向は見られますか。

 勝見 やはりコロナ関連の製品依頼が多い。一方で新たに化粧品ビジネスをスタートしたいというニーズは依然として高いと感じる。

 既存顧客はもとより、そのような参入マインドの高い顧客の要望に応えられるよう、新規原料の開発や浸透性を高める処方技術の開発を継続的に取り組んでいる。また今期は、美白、抗炎症に続く薬用化粧品の新しい分野として、シワ改善薬用化粧品の開発に取り組んでいきたい。